Lazuli、商品情報の追記作業不要 AIで顧客のEC事業支援

(2024/1/4 12:00)

デジタル化や電子商取引(EC)の普及により、小売業や製造業では従来の商品台帳(マスター)で管理してきた商品情報に、ECの運営や業務に役立つ項目を追記する作業が生じている。Lazuli(東京都千代田区、萩原静厳社長)は、人工知能(AI)技術を活用して商品情報を整備するプラットフォーム(基盤)を開発。従来の簡素な商品情報を、EC向けなどデジタル時代の顧客に必要な20以上の項目に整理して提供する。人手を要する商品情報の追記作業を無くし効率化。ECサイトを顧客に必要な情報に満ちた売り場に変え、EC関連事業の成長を支援する。

元々、萩原社長はコンサルティング会社で小売り大手にAI活用を提案していた。だが、「土台となる製品情報がバラバラでAIが使えなかった。AIを活用できるように準備する“基礎工事”が必要」(萩原社長)と考え、2020年7月に池内優嗣取締役らとLazuliを創業。1年かけて、商品情報の整備基盤ツール「Lazuli PDP」を完成した。

同ツールは商品情報の加工、管理、データ拡張の機能を備える。例えば国内清涼飲料の新製品は、容量やパッケージの違いを含めて1カ月で数百出るが、この商品情報をきちんと管理する。緑茶なのか玄米茶なのかなど「データを入れるだけで当社のAIが推定し、データを加工できる」(萩原社長)。

飲料各社は全国の商品情報を集めて、月ごとに売れ筋商品を分析する。同ツールを導入した飲料会社は「従来、1カ月かけて約30人が手分けしていた作業が約1日で終わった。目視チェックの方が1人だけ。人手の手分け業務がゼロになった」(池内取締役)。意思決定が早まり、正確という効果もあった。

  • 商品情報の整備により、製造業や小売業のデジタル変革(DX)推進を支援する

拡張については消費者の声(レビュー)、キーワードからAIで生成した「特徴タグ」を提供できる。AIエンジンは商品情報の加工・収集に特化したものを自社開発している。「インターネット上から商品情報を集めた巨大なデータベース(DB)を構築し、製造業や小売りの方が持たない消費者の声を集め、提供できる」(萩原社長)のも強みだ。

今後、技術者を増員し、生成系AIを活用できる機能を拡充する。食品・飲料、日用品、小売りに加え、取り扱い商品が多い家電、自動車、医薬品などの製造・小売り関連企業に対象領域を広げて提案し、商品情報整備の効率化、生産性の改善、売上高アップにつなげる。

(2024/1/4 12:00)

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