メンタルヘルス対策で拠点連携 旭化成、事例共有で的確にケア

(2024/1/23 12:00)

旭化成は健康経営を推進する体制を強化している。主導するのが2020年1月に設置した健康経営推進室。21年4月には本社、延岡支社(宮崎県延岡市)など国内九つの主要拠点の産業保健スタッフ(産業医)が所属する健康管理センターなどを健康経営推進室の所属とした。健康経営を一元的に推進できる体制に整えた。

  • 拠点横断の専門スタッフ研修会

「当社は事業が多岐にわたる。現場を理解しながら連携していかなくてはならない」。健康経営推進室の下妻良平室長はこう力を込める。同社は20年10月には健康経営宣言を発表。心身の健康をベースに従業員一人ひとりの活躍・成長、働きがい、活気あふれる強い組織風土を通じ、生産性向上や事業成長につなげる考えだ。従業員の活躍・成長機会などの創出(休業率の改善)や個人・組織活性化などを目指す。

その中で注力する取り組みの一つがメンタルヘルスケアの推進だ。メンタルヘルス不調休業者の直接要因や背景事象の分析、職場や産業医らによるケアなども推進する。

24年度からは本社や大阪支社、延岡支社など国内主要拠点の産業医が、メンタルヘルス対応事例の共有などで連携を強化する。良い事例を共有することなどでより的確で柔軟にケア対応ができるようになるとみる。

例えば延岡と東京といった拠点間の異動で職場環境が大きく変わった際のメンタルヘルスケアの取り組みなどで柔軟な対応につなげる考え。事務職や生産現場といった職場環境などに合わせたマニュアルの作成も想定している。「工場だと作業をチームで手がけるので、同僚とうまくコミュニケーションを取らないとリスクが高まる」(小山一郎統括産業医)。

下妻室長は「ウェルビーイング(心身の幸福)として当社で働くことで喜びや誇りにつながるようにしていきたい」と語る。休業者率を減らし、従業員がより心身共に健康で意欲を持って働けるようになることは事業変革を目指す同社にとって成長の基盤になる。

(2024/1/23 12:00)

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