インタビュー/住友ゴム工業執行役員タイヤ事業本部調達本部長 鈴木秀法氏

(2024/4/4 12:00)

安定を重視、環境面でも

  • 住友ゴム工業執行役員 タイヤ事業本部調達本部長 鈴木秀法氏

―原材料調達の現状は。

「原材料価格はコロナ禍に上昇して現在も高止まりしており、この状態が通常になると考えている。コロナ禍の2020年後半から買いたいものが買えない状態が始まったのに加え、地政学リスクもあることから、原材料の安定調達が従来よりも難しくなっている。23年に部署名を購買部から調達本部に変更した。コスト中心の考えから、品質や環境を含む全体を意識することが必要との思いからだ」

―原材料の安定調達にどのように取り組みますか。

「エネルギー費など変動がある中で、調達価格だけでなく、安定調達を重視する。調達全体の一定の比率は、原材料サプライヤーを独自に評価し、持続可能な長期契約を結ぶ。サプライヤーが取引での必要費用に加えて利益が出る契約にする。双方が安定した事業にすることが第一だ。コスト競争力の観点から安価な供給先からも調達する。これらの調達先の比率は約3年ごとに見直している」

―環境負荷を低減するサステナブル(持続可能)素材の比率を35年に40%にする目標があります。

「まず、ビジネス面の取引が持続可能でなければならない。既に全体の約20%に天然ゴムを使用しており、残りの20%をどうするか。リサイクルカーボンブラック、米のもみ殻から抽出する植物由来成分のシリカなどで対応する。シリカの調達では既存の取引企業と新規取引企業の二つの調達経路があり、既存の取引企業から調達したい」

  • 「ジャパンモビリティショー2023」で出展されたサステナブル原材料を使用したタイヤのコンセプトモデル

―地政学リスクへの対応は。

「例えば、中国では現地で安価な原材料調達が可能である半面、台湾有事のリスクがある。このリスクに対して社内で議論を重ね、現地での調達比率を決めて制限をかけている。リスクの対価は経営判断だ」

―今後の原材料調達の方向性は。

「原材料には業界内で常識とされる価格がある。その価格を超えることがあったとしても収益や生産性の向上に寄与するのであれば価値があると思う。原材料のビジネス的な価値も認めることが必要だ」

(2024/4/4 12:00)

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