[ 政治・経済 ]

【電子版】米大統領、司法省トップを解任―入国禁止令で反旗、国務省は集団抗議へ

(2017/1/31 13:00)

  • イエーツ米司法長官代行(AFP=時事)

【ワシントン、ニューヨーク時事】トランプ米大統領は30日、司法省トップのイエーツ司法長官代行を解任した。イエーツ氏は同日、難民やイスラム圏7カ国の出身者らの一時入国禁止を命じた大統領令を支持しないよう同省に命じたと伝えられていた。

国務省でも100人以上の国務省職員が入国禁止令に集団で抗議する計画が判明。西部ワシントン州は30日、大統領らを相手取り「違憲」として提訴に踏み切った。トランプ氏に対抗する動きは、政府内や地方州に拡大する異例の展開に発展している。

イエーツ氏は、司法省の顧問弁護士に送った書簡の中で、大統領令は「合法的ではないと確信している」と批判。「私が司法長官代行である限り、擁護が適当と確信するまで、司法省は大統領令を擁護する答弁を行わない」と表明した。

オバマ前政権下で任命されたイエーツ氏の書簡は象徴的な意味合いが強いが、政権内の深刻な分断を浮き彫りにした。トランプ氏は書簡の報道を受け、イエーツ氏を即日解任し、後任を指名するという強硬措置に出た。ホワイトハウスは声明で「イエーツ氏は合法的な大統領令を執行することを拒むことにより、司法省を裏切った」と批判した。

一方、抗議を計画する国務省職員は、同省が設置した外交政策への意見表明制度を利用し、抗議内容を記したメモに署名を集めて提出するとみられる。ニューヨーク・タイムズ紙は「メモがまとめられたスピードと署名者の人数(の多さ)は、国務省がトランプ氏の禁止令への抵抗の中心になったことを示している」と指摘した。

入国禁止令をめぐり全米州で初めて提訴したワシントン州のファーガソン司法長官は30日、憲法に定められた法の下の平等や、信仰の自由などを侵害していると批判した上で「大統領でさえも、法を超越しない」と強調した。

司法長官は、訴訟と併せ、大統領令執行の暫定的な差し止めを求める申し立てを行ったほか、同州シアトルの連邦地裁に対し、2週間以内に審理を開くよう要求することも明らかにした。ワシントン州に本社を置くインターネット通販最大手アマゾン・ドット・コムも提訴を支持した。

オバマ前大統領も報道担当者を通じて「信仰や宗教を理由に個人を差別する考えに根本的に同意しない」と批判する異例の声明を発表した。

(2017/1/31 13:00)

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