[ オピニオン ]
(2017/8/1 05:00)
台風シーズンはこれから本格化するというのに、7月は全国各地で深刻な水害が発生した。九州のように多くの死者を出した地域もあり、被害を受けた方々に改めてお見舞いを申し上げたい。
産業界にとっては、交通機関の途絶によるサプライチェーンへの影響が気にかかるところ。大雨で路盤が崩れた秋田新幹線が1週間で運転再開するなど、懸命に復旧に努める関係者の存在を心強く思う。
「記録的な降雨」が相次ぐと「地球温暖化の影響か」との疑念が頭をよぎる。ただ天変地異を思わせる事例は温暖化以前から少なくない。先月18日、東京都内各地で大粒のひょうが話題になったが、1917年(大6)には埼玉県北部でカボチャ大の巨大ひょうが降った記録がある。
災害の原因を地球温暖化だけに求めるのではなく、常に自然の脅威を忘れるなということだろう。治山治水が、国や自治体という政治の根幹であることは、昔も今も変わりがない。
きょうは「水の日」。7日までは「水の週間」に指定されている。国連が3月22日を「世界水の日」に決議したことで、やや注目が薄れた感もあるが、水害や渇水、水辺の事故など日本の“水難”の多くは夏場に起きる。備えを怠らずにいたい。
(2017/8/1 05:00)