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[ 科学技術・大学 ]
(2017/8/30 05:00)
日本列島の下に沈み込むプレートの内部で起きる深い地震は、プレートが変形する際のエネルギーが弱い部分に集中し、断層ができて発生する可能性が高いことが分かった。愛媛大学と高輝度光科学研究センター(兵庫県佐用町)の研究チームがプレートの岩石を高温高圧で溶融させる実験を行った成果として発表した。
深さ50―300キロメートルで起きるプレート内部の地震をめぐっては、鉱物が地熱で分解して放出される水により断層が滑って起きるとの見方があった。しかし、こうした水の放出がない場所でも地震が起きており、その謎を解明する必要があった。論文は英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス電子版に掲載された。
日本列島の太平洋側では、海側プレートが日本海溝や南海トラフで陸側プレートの下に沈み込んでいる。プレート境界の浅い部分が急に滑ると、東日本大震災や東南海・南海地震のような大地震と津波が起きる。それより深い、沈み込む海側プレートの内部で発生する地震では津波は起きないが、マグニチュード7程度に大きくなる場合がある。
研究チームはプレートのかんらん岩を超硬合金製の装置に入れ、高温高圧状態で変形させる実験を行った。その結果、変形が速い場合はエネルギーが微細な鉱物粒子でできたもろい層に集中し、瞬時に溶融して断層ができることが分かった。
(2017/8/30 05:00)
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