産業春秋／今年の漢字

師走に入った。今年も世相を振り返り、漢字１字で表す「今年の漢字」を日本漢字能力検定協会が５日まで募集している。いくつか予想してみた▼まずは『金』。韓国・平昌五輪以上に北朝鮮の「金」正恩委員長の動きが活発な１年だった。米朝首脳会談、南北首脳会談、中朝首脳会談など世界的なニュースが相次いだ。夏の全国高校野球選手権で、秋田の「金」足農業高校が準優勝し旋風を起こした▼『災』も印象深い。多くの命を奪った西日本豪雨。埼玉・熊谷で４１・１度Ｃを記録するなど災害級の暑さ。大阪と北海道で大地震。台風２１号と２４号による風雨。あらゆる「災」害に襲われた▼『力』も浮かぶ。女子レスリングの伊調馨選手へのパワハラ、日本大学アメリカンフットボール部のパワハラ、日本ボクシング連盟のパワハラ、日本体操協会のパワハラ疑惑など、スポーツ界の権力者の問題が取りざたされた▼『大』も興味深い。テニスプレイヤーの「大」坂なおみ選手が全米女子オープンを日本人として初制覇した。「大」阪桐蔭は高校野球の春夏制覇を果たした。最多応募漢字は例年通り、京都・清水寺の森清範貫主（もりせいはんかんす）によって１２日発表され、明るい新年となるよう願いを込めて奉納される。