産業春秋／エンゼルスの“カブト”に注目

米メジャーリーグのエンゼルスでは、ホームランを打った選手に“兜（かぶと）”をかぶせて祝福している。端午の節句に飾る、あの兜だ。２０２２年のシーズンはカウボーイハットだったが、大谷翔平選手へのリスペクトなのか、球団が発案したという。

兜の購入でも大谷選手の通訳が仲介したようだ。製造元は鹿児島県の工房で、価格は３３万円（税込み）とか。あと３週間で端午の節句。“大谷効果”で同社への問い合わせが多いのもうなずける。

選手がかぶった兜から鍬形（くわがた）が外れることがあるが、元々そういう設計だという。収納に便利なだけでなく、馬に乗っている武将の鍬形が木の枝などに引っかかり、落馬することがないよう抜けやすくしている。

兜飾りは子どもの母方の親から贈られるケースが多い。我が家も妻の両親から１９年前の初節句に贈られた。兜飾りの隣には、初節句の時の子どもの写真入りオルゴール。『こいのぼり』のメロディーを聴きながら、子どもの成長を実感できるのがうれしい。

岸田文雄政権は６月に子ども予算倍増に向けた大枠を提示する。財源は社会保険料の上乗せか、増税なのか。幅広い安定財源を確保し、兜飾り市場の大幅な縮小を回避したい。