SIer最前線/竜製作所 視覚装置活用、検査機に強み

(2023/8/1 05:00)

  • パイプピッキング&治具挿入機など多様なニーズに応える

竜製作所(名古屋市南区、石田恭一郎社長)は、専用機メーカーとして自動車向けを中心に搬送機、組付機、検査機などを手がける。電子設計の部署を持っているのが特徴で、視覚装置を用いた電子(マイコン)設計による検査装置の製作に対応。ロボットを組み合わせた検査装置を核にライン一括受注の提案を強化している。

「専用機メーカーで視覚装置を手がけているところは少ない」(石田社長)とし、技術の強みとなっている。視覚装置とロボットの組み合わせをベースに、前後工程を含むライン一括やブロック単位での受注に対応する。

車輪ロック防止装置(ABS)の最終検査機で豊富な実績を持つほか、パイプピッキング&治具挿入機、ラジエーター製造でのパッキン貼付機など多様なニーズに応えている。専用機の設計、製作で培った技術、ノウハウを生かし、ロボットのプログラミング、ティーチングから設備の組み立てまで一貫対応し、早期立ち上げに貢献する。

パイプピッキング&治具挿入機の場合、前工程から次々と流れてくるパイプ1本ごとの位置、向きをカメラで認識。不規則に置かれた状態でも、ロボットがパイプを正しくつかんで専用台に置き、治具挿入機に移送する。

高速通信化に伴って対策の必要性が指摘されている、マイコンの動作に及ぼすノイズの対策技術も強みの一つ。トレーサビリティー(履歴管理)にも対応し、作業の正確性と効率化を両立するとともに、設備の信頼性を支えている。

自動車の電動化に伴い、車部品はモーターと電子制御ユニットなどを一つのモジュールにまとめる機電一体化が進んでいる。車部品の電子化により検査作業が増え、検査精度の要求も高くなると予想されることから、今後は「マイコン設計による検査機の需要が増えてくるだろう」(同)と見通す。

ニーズの拡大を見据え、電子設計の部署を拡充する。増員の方針を決めており、電子設計担当者は現在の6人から、2024年度に新卒2人が加わる予定。高度化する顧客ニーズに対応し、最適設備の提案、実現に挑む。

【企業概要】▽所在地=名古屋市南区豊田4の8の2▽資本金=4000万円▽売上高=67億円(23年4月期)▽従業員=215人▽設立=53年(昭28)8月

(2023/8/1 05:00)

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