SIer最前線/アイデミー 顧客のDX教育・内製化も支援

(2023/9/26 05:00)

  • 研究開発の効率化を支援する「Lab Bank」

「デジタル変革(DX)を顧客と“伴走”で後押しする」と、アイデミーでModeloy(モデロイ)事業部部長を務める甘粕貴大執行役員は話す。主要事業はDX人材育成だが、ソフトウエア開発も手がける。従来のシステムインテグレーター(SIer)と異なり、開発に加え顧客先のDX教育とシステム更新の内製化も同時に支援するサービス「Modeloy」を提供する。

「ソフト導入先企業のDX人材を増やすことは、効率的な運用管理につながる」(甘粕執行役員)。人工知能(AI)を活用し、導入先企業のシステム使用者と対話を繰り返しながらアイデミーでAIモデルを構築する。並行してシステム運用する人材にプログラミング言語「Python(パイソン)」などのDX教育を実施。導入後は使用データの更新に伴うAIモデルの更新や修正も、開発元のアイデミーに頼らず自社内で解決できるようサポートする。

化学品研究の業務効率化では、組織内の研究事例をまとめたデータベースと、それを解析するAIモデルを構築した。実験に使う素材の量や割合を入力すると、社内の過去実験データから結果を予測し数値を算出。新たに実験するべきパラメーターを割り出し、実験の計画実行にかかる時間を従来比約半分に削減した。

同サービスは2020年4月に開始。素材開発の効率化をはじめ、自動車製造ライン設備の保守点検計画の自動生成や中古車販売の需要予測システム構築など、顧客のニーズに柔軟に対応してきた。

今後はModeloyで得た知見を生かし、自社サービスとして市場展開を進める。23年7月には化学品研究の効率化で使用した経験を生かし、開発組織のデータ活用プラットフォーム(基盤)「Lab Bank」の提供を始めた。組織内の実験データを共有し、実験結果の検索やAIによる予測ができる。

画像データの格納や共有、自社システムの応用プログラムインターフェース(API)連携も予定する。「Modeloyで市場ニーズがつかめる。サービスを横展開したい」(同)と事業拡大に積極的だ。

【企業概要】▽所在地=東京都千代田区大手町1の2の1▽資本金=8億円▽売上高=16億円(23年5月期)▽従業員=79人▽設立=14年(平26)6月

(2023/9/26 05:00)

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