人と生きる ロボット新時代(2)ダイヘン執行役員・神品泰宏氏

(2023/11/8 05:00)

新規参入、協働タイプ注力

―協働ロボット市場に参入しました。

「当社が得意なアーク溶接用途の協働ロボットで展開を始めた。2024年度までに溶接のロングリーチタイプと、ハンドリング用途も加えて5製品ほどに拡充し、世界で販売する。協働ロボット市場は欧米で産業用ロボット市場の3倍ほどのスピードで成長し、日本でも新たな市場が見込める。中小を含むユーザーから(安全柵不要の)協働ロボットは心理的に導入しやすいと思ってもらえる」

―「2023国際ロボット展」の見所は。

「目玉はまず協働ロボットだ。産業用ロボットと同程度に力を入れており、当社の存在感を出したい。それ以外では、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)に対応した溶接ロボットソリューションを見てもらう。特に自動車業界の電気自動車(EV)シフトや車体軽量化に対応した、アルミニウムや高張力鋼板(ハイテン材)の溶接ロボットをPRする。溶接以外にもハンドリングや切断、仕上げ、検査といった一連の作業が当社のロボットでワンストップ対応できることも訴えたい」

―24年度からの新中期計画での「FAロボット事業」の戦略は。

「3本柱で考えている。アーク溶接ロボットを筆頭に製品群を充実する産業用ロボット、新規参入した協働ロボット、そして工程・工場間の搬送を担う自律移動ロボット(AMR)だ。将来的に協働ロボットをAMRに搭載し、モバイルロボット的な提案をしたい。数値目標はまだ言えないが、以前から目標に掲げる世界シェア10%(現在は約5%)の絵を具体的に描く」 

―ロボット事業はM&A(合併・買収)も積極的です。

「欧州で19年以降、ドイツのロボットシステムインテグレーター(SIer)2社を買収した。また23年8月にドイツ2位の溶接機メーカー買収を決め、その代理店網から自動化のロボットニーズが拾える。欧州であと数社のM&Aも検討中だ。米国でも欧州的なSIerコラボレーションを実践すべく、M&Aを進める」

―競争の激しいロボット業界で、どう差別化を図りますか。 

「日本には世界で圧倒的なプレゼンスを持つロボットメーカーが複数社存在し、当社が同じ方向で行くのは難しい。アーク溶接ロボットは世界トップで、金属加工業にフォーカスすべきと思う。溶接だけでなく切断や組み立て、搬送まで当社のロボットを使ってもらう。それがしっかりできて金属加工業以外の顧客にも声がかかる」(大阪・広瀬友彦)

(2023/11/8 05:00)

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