人と生きる ロボット新時代(10)三菱電機名古屋製作所ロボット製造部長・佐野修也氏

(2023/11/21 05:00)

総合力とAI技術で進化

―「2023国際ロボット展」の見どころは。

「電気自動車(EV)への関心の高まりを踏まえ、車載用リチウムイオン電池(LiB)の製造ラインをイメージしたデモを実施する。ロボットと各種デジタル技術などを組み合わせた自動化事例を凝縮。モジュールの組み立てから電極溶接まで一気通貫で自動化している。当社は設計開発から製造、運用、保守に至るまでライフサイクル全てを支援できる点を訴求する」

―EVシフトによる影響をどう見ますか。

「製造現場の仕組みが変わることは常にプラスに捉えている。変化のタイミングは新たなソリューションが必要とされる。最適な提案ができれば大きなチャンスとなる」

―今後のロボット事業の成長戦略は。

「ロボット単体にこだわらないことが、当社の大きな特徴だ。製造現場の課題解決はロボット単体では成し得ない。当社にはモーターやプログラマブルコントローラー(PLC)、コンピューター数値制御(CNC)など幅広い工場自動化(FA)機器がある。総合力で現場の課題解決に資する付加価値の高い製品・サービスを提供する」

―ロボットは発展途上の技術と考えられています。

「ロボットはプログラム変更やエンドエフェクターを付け替えれば異なる作業ができ、専用機よりも自由度が高い。一方、ロボット単体でできる作業がまだまだ少ない点も事実だ。次世代のロボットという観点では、人工知能(AI)技術などの活用が一つのキーワードになるだろう」

―24年中の投入を目指すロボットの新製品も参考出品します。

「産業用ロボット『FRシリーズ』は従来機種から大幅に制御性能を高めた。サイクルタイムの最大30%短縮による生産性向上や、コンピューターからの指令に対するロボットの軌跡精度の最大80%向上などが特徴だ。小型の機体ながらも力強さを兼ね備える『CRシリーズ』でも、可搬質量20キログラムまでの高可搬機種を用意する」

―ロボットによる価値提供の将来像は。

「ロボットで実現したい姿は『人代替』。最終的な理想だが、人がより難易度の高い作業や創造性が求められる仕事に向かえるような環境構築に貢献したい。『3K(きつい・汚い・危険)』の製造現場などを中心にロボットの導入が進んでいるが、単純作業などで人手に依存した部分はまだ多い。こうした作業から人を解放する」(増重直樹)

(2023/11/21 05:00)

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