産業春秋/大卒50―54歳は賃下げ?

(2024/1/29 05:00)

2023年の春季労使交渉(春闘)は30年ぶりとなる高率の賃金上昇だった。だが年齢別にみると、20代に比べて働き盛りの世代は低率にとどまった。人手不足で若手の採用に力を入れたためだが、消費の中核となる世代の賃金が頭打ちなのは気にかかる。

厚生労働省がまとめた23年の賃金構造基本統計調査(速報)によると、高卒と大卒を合わせた平均賃金が31万8300円で前年比2・1%増。年齢別では20―24歳、25―29歳の両年代が平均を上回る上昇率だった一方、30―59歳はすべての年代で平均を下回った。大卒の50―54歳においては前年比マイナスだ。

金額(高卒・大卒合計)でみても20―24歳が6000円、25―29歳が7000円増えたのに対し、30―34歳が5400円、35―39歳が2100円の増加にとどまった。

調査は所定内給与を対象とする。30歳以上は金額にカウントされない残業や休日出勤で収入を増やしたのだろうか。

24年春闘は前年を上回る賃上げが政労使の共通認識だ。物価上昇を上回る賃上げを実現し、経済の好循環を回したい。併せて学び直し(リスキリング)などの働き方改革を進め、30歳以上の分厚い中間層を形成することも求められる。

(2024/1/29 05:00)

総合1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

電験三種 合格への厳選100問 第3版

電験三種 合格への厳選100問 第3版

シッカリ学べる!3DAモデルを使った「機械製図」の指示・活用方法

シッカリ学べる!3DAモデルを使った「機械製図」の指示・活用方法

技術士第一次試験「建設部門」受験必修キーワード700 第9版

技術士第一次試験「建設部門」受験必修キーワード700 第9版

モノづくり現場1年生の生産管理はじめてガイド

モノづくり現場1年生の生産管理はじめてガイド

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン