【熊本地震】産業界、新卒採用選考を延期−学生の実家被災考慮

熊本地震は２０１７年度新卒採用選考にも影響を及ぼしている。ローソンやファミリーマート、イオンリテール、ＯＫＩなどは実家が被災したなどの影響で就職活動できない学生のため、説明会や選考の延期、安否確認を進めている。今後の状況次第ではこうした動きが広がりそうだ。

ローソンは九州地区の学生向けの企業説明会や座談会などを延期する。平常化を確認次第、再開する。同地区の採用は福岡会場のみで実施していたが、交通機関の状況も考慮し、他県開催も検討中。実家が被災地にあるなどの理由で就職活動が遅れる学生も、別途６月以降に選考する。

ファミマも被災地域の学生や地震の影響で就職活動できない学生向けに、特別日程で新卒採用活動を行う。すでに進めている九州地方での採用活動は、学生と相談して継続する。イオンリテールも熊本県在住の応募学生などに連絡し、安否確認とともに今後の対応を打ち合わせている。

ＯＫＩは１９日、福岡県で開催予定だった新卒向け会社説明会を延期した。九州地区の学生への対応は、選考活動が解禁される６月以降の状況をみて判断する。佐賀銀行の陣内芳博頭取も、就職活動への対応について「被災地の学生は面接のタイミングをずらすなどの措置をとりたい」と表明。日本郵政グループは熊本で発生した地震に伴い、採用スケジュールの変更の有無を含め検討している。