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[ 自動車・輸送機 ]
(2016/8/22 05:00)
ホンダは4輪車用ディーゼルエンジンの開発を縮小する。世界各国で厳格化する環境規制に対し、プラグ・イン・ハイブリッド車(PHV)などの電動車両の拡大で対応する方針で、ディーゼルに充てている開発資源を電動技術に振り向ける。独フォルクスワーゲン(VW)もディーゼルから電動技術に開発の軸足を移す方針を示しており、ディーゼル車の競争環境が変化している。
ホンダは2月にPHVやハイブリッド車(HV)や燃料電池車(FCV)などの電動車両の販売比率を2030年に全体の3分の2とする方針を掲げた。これに伴い、ディーゼルエンジンの技術の難易度やコスト、環境規制の動向を考慮して、電動技術を優先する。ガソリンエンジンの開発は今後も力を入れるが製品群を減らす。
11年には欧州市場を攻略するため、アルミニウムによる軽量ディーゼルエンジンを発表するなど開発資源を投じてきた。14年度のホンダのディーゼルエンジン生産台数は、世界車両販売台数の3%に当たる14万台分。英国とインドでの生産も中長期的に減らしていくとみられる。
ディーゼルエンジンはHVなどの電動化と並ぶ環境技術として有力視されてきた。燃費効率の高さや二酸化炭素(CO2)排出量が少ないなどのメリットがある半面、窒素酸化物(NOX)などの有害物質が発生しやすく排ガス処理が必要になり割高になる。15年秋にはVWによる排ガス不正が発覚し、当局が規制強化を加速する動きも出ている。
VWは25年までに30車種以上のEVを発売し、年間で最大300万台を販売する中期計画を発表、ディーゼルからのシフトを鮮明にしている。一方、マツダは、NOXの後処理装置が不要になる独自技術で国内のクリーンディーゼル市場をけん引している。
(2016/8/22 05:00)