[ ICT ]
(2017/2/17 16:00)
米グーグルは機械学習によるオープンソースの最新版人工知能(AI)ソフト「テンソルフロー(TensorFlow)1.0」について、15日に提供を始めた。これまでに比べ処理が速くなったほか、モバイル機器などでの使い勝手を向上させた。
最新版は、汎用プログラミング言語パイソン(Python)で書かれた深層学習ライブラリー「ケラス(Keras)」と完全互換を図り、連携を強化。さらに、新しいXLAコンパイラー(プログラミング言語から機械語への変換ソフト)の導入で、プログラムサイズをコンパクト化すると同時に、モバイル機器での実装と高速処理が容易になったという。ある画像処理アプリケーションでは、処理速度が従来の約8倍に高速化でき、CPUの電力消費は約4分の1に抑えられた。
テンソルフローは誰でも使えるオープンソースソフトとして2015年11月に提供開始。翻訳精度が向上したことで最近話題のグーグルのオンライン翻訳や、Gメールの予測入力用のAIエンジンとして活用され、それ以外に、AIによる音楽や絵画の創作、皮膚がんの画像検出アルゴリズム、糖尿病性網膜症の予測といった応用研究にも役立てられている。
グーグルによれば、研究者やエンジニア、芸術家などが、6000を超えるネット上のリポジトリー(ソフトウエア開発のための共有データベース)でテンソルフローが使われているという。テンソルフロー1.0は、ソフトウエア開発の共有ウェブサービスであるGitHub(ギットハブ)からダウンロードできる。
(2017/2/17 16:00)