大豊工業、技能伝承へ国内全工場に「道場」整備−実技・座学で人材育成

【名古屋】大豊工業は国内の全工場で、モノづくりの技能や知識を伝承し人材を養成する道場の整備を始めた。自動車エンジン用すべり軸受大手の同社は、オン・ザ・ジョブ・トレーニング（ＯＪＴ）を中心に技能伝承してきたが、勘やこつに頼らない教育を進める。道場での実技と、暗黙知を形式知に落とし込んだテキストを用いた座学を組み合わせて、中長期目線で教育システムの確立を狙う。

技能職の人材育成のために４月から実施するスキルアップ制度の一環。本社工場（愛知県豊田市）には「ダイカスト道場」、篠原工場（同）には「技能伝承道場」と各工場の主要製品などによって道場の名称や導入設備は異なる。

例えば、特殊軸受やバキュームポンプ、精密金型などを生産する篠原工場の技能伝承道場では、汎用旋盤や汎用フライス盤の実技、災害事例、図面の見方、設備の特徴や役割などを学ぶ。ＯＪＴでは経営環境や工場の繁閑などで教育状況が左右されか...