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「きつい、厳しい、帰れない」打破−NTTデータがSEの働き方改革

(2017/4/14 05:00)

  • 働く環境が改善すれば優れた人材の確保にもつながる

近年、産業界で「働き方改革」が叫ばれている。長時間労働というイメージが強いSI(システム構築)業界では一足先に、在宅勤務や朝型勤務など柔軟な働き方を採用してきた。だが事業の中核を担うシステムエンジニア(SE)は業務上、難しい部分もあった。そこで業界最大手のNTTデータは新たな開発環境を取り入れ、SEの働き方改革を実現しようと動きだした。(松沢紗枝)

■  ■

NTTデータは4月から「統合開発クラウド」の運用を始めた。システム開発に必要な基盤やツールなどの開発環境をクラウド上に集約しており、必要に応じて同クラウドにアクセスし基盤やツールを利用する。システム開発の生産性の向上が目的の一つだが、社内全体の7―8割を占めるSEの働き方改革としての側面も持つ。同クラウドを使えば作業する場所の制約が少なくなり、作業環境の改善につながる。

同社は「働き方の多様化」と「総労働時間の削減」という二つの観点から、働き方改革を進めている。働き方の多様化の一環としては育児や介護などプライベートにおいて負荷の多い社員に対し、短期労働や在宅勤務などを推奨している。

ただ、これまで在宅勤務は電子メールの送受信や資料作成など限定的な業務しか適用できなかった。システム開発は在宅勤務では対応できない工程もあり、SEの在宅勤務が進まないのが現状だった。柳圭一郎取締役は「当社の核となる業務で在宅勤務ができなければ意味がない」と課題を認識していた。

今後は同クラウドの採用により、インターネットにつながる環境があれば、働く場所を選ばずにシステムを開発することが可能となる。まず国内のNTTデータグループから運用を開始していく方針。さらに順次、海外子会社や開発パートナー企業でも使えるようにする。

働き方改革の実施に伴い、総労働時間の削減効果も顕在化しつつある。SI事業は、顧客企業の情報システムを止めてはいけないという根本的な前提条件がある。業種によっては、必ず業務に就かなければならない時間帯と期間が出てくる。ただ「ずっと続くわけではないので、1年という期間で考えれば全社的に労働時間を平均化できる」(柳取締役)と判断し、改善に着手した。

まず総労働時間の削減をKPI(重要業績評価指標)に設定。その達成に向け、各部署がそれぞれ施策を打ち出した。例えば「リバイバルホリデー」を採用した部署では土曜と日曜が祝日に当たる場合、その前の金曜か翌週の月曜に休みを取る。各部署の取り組みは人事部で取りまとめており、KPIを達成できない部署には「別の部署では、こんな活動に取り組んでいる」と好事例の横展開を促す。

「きつい、厳しい、帰れない」というSE職。その働き方改革を推進することは、優秀な人材確保にもつながるはず。統合開発クラウドの運用後の成果が期待される。

(2017/4/14 05:00)

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