[ 環境・エネルギー ]

【電子版】米電力大手PG&E、破産申請を検討 山火事負債が圧迫

(2019/1/7 05:00)

  • 山火事によって焼失した電力線の修復に取り組むPG&Eの職員(17年10月、カリフォルニア州サンタローザ=ブルームバーグ)

【ロイター時事】米カリフォルニア州の電力大手PG&Eは、一部もしくは全事業の破産申請を検討している。関係筋が4日明らかにした。同社は2018年と17年に発生した大規模な山火事に関連して、数十億ドルもの負債に直面している。ガス部門の売却も検討しているという。

 複数の関係筋によると、破産の申請は確定していない。PG&Eは山火事関連の負債を顧客のコストに転嫁することを認める法律によって支援を受ける可能性もあるが、破産手続きの準備が行われている。同社は4日時点で、DIPファイナンス(事業再生融資)の交渉を避けている。

 時価総額127億ドル(1兆3800億円)のPG&Eの株価は4日、この報を受け時間外取引で30%下落した。PG&Eは昨年11月、昨年のカリフォルニア州北部の火事の原因が同社送電線などの設備にあることが判明すれば、保険のカバーを超える相当な負債を抱える恐れがあると説明していた。

  • 山火事によって焼失した住宅や車両(17年10月、カリフォルニア州サンタローザ=ブルームバーグ)

 11月8日朝にパラダイス近郊発生した「キャンプファイア」火災では少なくとも86人が死亡するなど、州史上最悪の山火事となった。PG&Eは17年の火災で焼失した家屋などの所有者から数十件の訴訟も起こされている。州は山火事関連のコストの一部を顧客に転嫁する法律を可決させたが、18年の火事はこの法律の対象外。

 PG&Eは01年にも、カリフォルニア州エネルギー危機で破産申請した。高騰した電力の調達で巨額の負債を抱えたが、当時は電気料金の値上げで顧客にコストを転嫁できなかった。04年に破産法適用から脱却した。

(2019/1/7 05:00)

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