[ 機械 ]
(2017/6/28 05:00)
―出展の目玉は。
「(ホンダ、ホンダエンジニアリングとの共同開発で)日本鍛圧機械工業会のMF技術大賞を受賞したレーザーブランキングラインを紹介する。高速レーザー切断装置を含む設備でプレスを用いるのに比べ切断面の品質を高められる。速さはプレス並みが可能だ。金型も使わずに済む。実際、引き合いも来ている」
―自動車の車体軽量化に向けた素材加工ニーズにどう応えますか。
「まずは超高張力鋼板向けの加工に対する提案だ。加圧能力3500トンのトランスファープレスに加え、(まだ普及していない)引っ張り強度1500メガパスカル級の材料に対応するレベラーもそろえた。ラインごとの新設や、装置の更新で実績ができてきている。ドアや屋根に採用されつつあるアルミニウムと、鉄を混在して搬送できる装置も出展する。(開発中の)熱可塑性炭素繊維強化プラスチック(CFRTP)の成形技術は加工サンプルを出品する」
―ほかの提案は。
「ロボットの先端に取り付ける搬送用途のアタッチメントとしてダブルスライダーを開発した。アームの先にスライダーを取り付けることでプレス間を高速で移動できるため生産性向上につながる」
―IoT(モノのインターネット)技術に対する関心も高まっています。
「取得したさまざまなデータを活用し、機械の予防保全や品質不良の判定ができる。制御システムなど既存の資源でできることは多いが、センシングの部分やどういうデータを取得するかなど、出展でヒントを得たい」
―海外では、アフターサービスの自前化を進めてきました。
「1月から(親会社である)日立造船のインドネシアの事務所に駐在員を配置した。メキシコにも協業先に1人駐在させる計画だ。サービスを現地化し、人材を教育していくことが重要。中国でも、ホンダの新工場に納入、プレスラインの受注が相次いだ武漢に人員が必要だ」
【記者の目/差別化・グループ連携が重要】
足元の市場環境は、北米が米国でプレスラインを受注するなど堅調。一方、新興国で主力のタイやインドネシアは停滞が続く。政治的問題が懸念されるメキシコも含め、先行きは不透明だ。周辺装置も手がける強みを生かした技術提案で差別化できるかが、今後を左右しそうだ。日立造船の完全子会社となり、グループ間の連携も一層重要になる。
(大阪・窪田美沙)
(2017/6/28 05:00)
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