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[ 中小・ベンチャー ]
(2017/8/14 05:00)
新規取引先、1年で18社開拓
日本社会全体で女性の活躍が進んでいる。労働人口減少の補填だけでなく、社内外の雰囲気の活性化やコミュニケーションの円滑化への期待もある。わずか9人の中小企業である井上製作所(神奈川県綾瀬市、井上正社長、0467・78・8228)は、2人の女性営業担当者の活躍で新規取引先が1年間で18件増と伸びた。女性2人が訪問するのは職人だらけの町工場や中小企業。社内外からも好評だ。本人たちも「仕事が楽しい」と声をそろえる。(横浜・川口拓洋)
井上製作所は1970年(昭45)に創業。売上高は月間約500万円。旋盤とフライス、マシニングセンターを駆使し、鉄道部品や自動車メーカー向け治工具の受託加工を手がける。08年のリーマン・ショック以降、受注が減少傾向にあった。16年頃から上向く兆しが見えてきたため、営業力の強化に踏み切った。
【受け入れ環境整備】
井上社長は「女性のほうが真面目だろう」と考え、求人広告を出した。女性の雇用に際し、加工を行う事業所の1階部分とは別に、2階部分を女性用の事務所とし、トイレやロッカールームを新しく整備。就業時間は9―16時だが、子どもの送り迎えや両親の介護など早退・遅刻に柔軟に対応するため、社内規定も変更した。
営業の業務は社用車で行う。16年6月に入社した石井呂美さんは「仕事は面白い。職人さんの技術を評価してもらい、注文をいただけることが自分のことのようにうれしい」と話す。入社から約半年の内田めぐみさんは長年、保険の営業を行っていたが、「ノルマの設定がなく、自由にのびのび営業をさせてくれる。日々発見があり楽しい。会社のために頑張りたい」という。
【次は「現場女子」も】
営業先は取引のない新規企業が条件で、訪問先は女性2人が決定する。インターネットで調べてアポイントを取る。2人を採用したことで、この1年間で18社と新規取引を行った。井上社長は「昼食の時間などは男同士とは違った会話や雰囲気が生まれ、和やかなムードになった」と話す。今後、加工を担う“現場女子”の雇用にも取り組む意向だ。
(2017/8/14 05:00)
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