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[ 科学技術・大学 ]
(2017/10/20 05:00)
デンソー先端技術研究所と東北大学、筑波大学などは、鉄とニッケルだけでできた高性能磁石物質を開発した。レアアース(希土類)を含まず、高温でも磁力を失わない「鉄ニッケル超格子磁石」の実現につながる。鉄ニッケル超格子磁石は、現在最強のネオジム磁石を超える可能性のある有力候補。新技術は製造方法がシンプルで工業生産に向く。
鉄とニッケル合金の結晶の中に窒素原子を入れて出すと、鉄とニッケルが規則的に並んだ超格子構造をとる。窒素の導入はアンモニア、窒素の脱離は水素ガスと合金粉末を反応させる。工程がシンプルで工業化しやすい。一般的に、超格子構造は隕石(いんせき)の中で10億年以上かけて形成されていた。
超格子構造は強い磁性をもち、550度Cまで磁力を失わない。現在の保磁力は0・18テスラ。結晶の向きがランダムなため、磁力を打ち消し合っている。今後、結晶の方向をそろえて磁力を強化し、磁石材料として確立させる。
(2017/10/20 05:00)