[ 人物 ]
(2019/1/7 05:00)
研究の実用化 やりがい
太平洋セメントの堀場香奈さん(27)は、キルン(回転窯)内部にあるバーナーの形状最適化を研究し、生産工程の改善に取り組む。セメント原料に廃棄物の使用量が増える中、シミュレーションを重ねながら効率的な燃え方を検証する。「研究が実用化されたときはやりがいを感じる」と笑顔で話す。
工程改善に情熱燃やす
高校時代に物理や化学など理系科目を勉強する面白さに気づきました。関西大学大学院理工学研究科環境都市工学専攻に進み、工場の効率的なプラント設計など化学工学について研究していました。就職活動ではインフラ基盤に関わるダイナミックなモノづくりに携わりたいと考え、太平洋セメントに入社しました。
研究が製造工程の改善に役立っていると感じられるときが楽しいです。工場での問題点を分析し、改善を提案することもあります。研究所ではうまくいくだろうと想定したことが、工場側から理想論だと一蹴されたことや、トラブルが発生して想定通りに進まないこともありました。現場目線で考えられなかった反省を生かし、現場の製造担当者とこまめに連絡を取るように心がけています。
セメント工場は環境にも配慮しており、焼成エネルギーについては、石炭を減らして廃棄物の使用量を増やす方針をとっています。廃棄プラスチックにも燃えにくい・燃えやすいなど種類があり、どのようなバーナーだと廃プラが燃えるか研究を重ねています。シミュレーションして事前に検討した上で工場に反映させます。
完璧にシミュレーションしようとすると時間がかかるので、早くシミュレーション結果を出せるように力をつけたいです。文献を読むなど積極的に知識を増やして、製造工程を改善していきたいです。
社会人になってから絵画教室に通い始めました。水彩絵の具で風景を描くのが好きです。一つの作品を3カ月かけて描くこともあります。(文=高島里沙、写真=田山浩一)
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◇太平洋セメント 第1研究部プロセス技術チーム
(2019/1/7 05:00)
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