ダイヘン、独溶接機大手を34億円で買収 欧州シェア拡大

(2023/8/31 05:00)

  • ドイツで行われたダイヘンのローヒ買収の調印式。ダイヘンの蓑毛正一郎社長(左)と、ローヒ・シュヴァイステクニックのヴォルフガング・グルーブ社長(ダイヘン提供)

ダイヘンは30日、ドイツでシェア2位の有力溶接機メーカー、ローヒ・シュヴァイステクニック(アウエンヴァルト市)を買収すると発表した。ダイヘンがローヒの全株式取得を行う契約を29日に現地で結んだ。買収額は約2200万ユーロ(約34億円)で2024年1月に取得を完了する。ダイヘンは買収を機に、26年度までに欧州での溶接機・アーク溶接ロボット事業の売上高を現状比3倍の200億円超にし、トップシェアを目指す。

欧州で溶接機・ロボット事業を拡大したいダイヘンと、57年創業のファミリー企業でグローバル展開のパートナーを必要としていたローヒの思惑が一致した。ドイツやフランスなど欧州6カ国と豪州、インドにあるローヒの販売子会社9社も買収対象となる。ローヒの売上高は約85億円、従業員は連結で280人。

ローヒは欧州に400社以上の販売・サービス網を持ち、ダイヘンはそのルートを活用し、溶接・接合のハイエンド機や電気自動車(EV)向け新接合システムなどを売り込む。ダイヘンが買収したドイツのシステムインテグレーター2社も活用し、アーク溶接ロボットシステムの販売拡大も図っていく。

買収後はダイヘンから役員クラスなど2人を派遣する予定だ。またダイヘンの溶接プロセス技術やローヒの洗練されたデザインなどを融合し、世界標準の溶接機を共同開発する。

ダイヘンによると買収で欧州のシェアは現在の約5%から最終的に13%となり、欧州の溶接機メーカートップのフロニウスを抜くという。同日、ドイツからオンライン会見したダイヘンの蓑毛正一郎社長は「両社は製品群、販売網で相互補完できる。溶接機・アーク溶接ロボット事業で欧州ナンバーワンになる」と強調した。

(2023/8/31 05:00)

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