[ オピニオン ]
(2016/12/19 05:00)
今年の漢字、新語・流行語大賞と並び、この時期の風物詩となった「創作四字熟語」。今回も世相を反映した秀作がそろった。
今年は“まさか”の多い年だった。1月には日銀が初の「金利零下(きんりれいか)」(マイナス金利)政策の導入を発表。利ざやが縮小して業績が悪化する金融機関が相次ぎ、機関投資家が運用に苦労する事態となった。
海外では6月に英国で国民投票が行われ「英欧分離(えいおうぶんり)」(欧州連合からの離脱)が決まった。米国では11月の大統領選で「虎栗参戦(とらくりさんせん)」の一騎打ち。トランプ氏の勝利で事前に予想された金融市場の混乱が“トランプ相場”に化けるという予想外の展開になっている。
“まさか”に加えて多かったのが自然災害。熊本や鳥取が「風震火山(ふうしんかざん)」の被害に遭い、いまも復興作業に追われている。10月、送電施設の火災により東京都心部で「都心電切(としんでんせつ)」(大規模停電)となり、大都市のもろさが浮き彫りに。
リオ五輪も話題になった。男子体操団体は「体団成就(たいだんじょうじゅ)」で3大会ぶりの金メダル。陸上男子400メートルリレーの「銀勇四人(ぎんゆうしじん)」は絶妙のバトンパスで銀メダルを獲得した。女子バドミントンのタカマツ・ペアは大逆転で「羽願優勝(はがんゆうしょう)」を飾った。来年も明るい話題で満たされたいものだ。
(2016/12/19 05:00)