シャープ、賞与を最大４倍に 信賞必罰の人事制度導入

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  会見する戴社長

シャープは２０１７年度の年間賞与を１６年度の基本給２カ月分から、最大４倍の８カ月分に引き上げ、平均で４カ月分とする。戴正呉社長が１３日、堺市の本社で会見し、成果に報いる「信賞必罰」の人事制度の一環として導入する方針を示した。評価が最も低い社員は現在の半分の年間１カ月分に減る。優秀人材や若手人材の採用も増やし、社員のやる気を引き出して成長の原動力とする狙いだ。

幹部・中堅社員の退職が続いているが「（流出は）ほぼ５５歳以上。今のシャープ幹部とやって行く気持ちがない場合は（会社を去って）構わない。心配していない」と述べ、流出を止める特別な手だては講じない考え。

１８年度４月の大卒者新卒採用は１７年度の１５０人から倍増。中途採用や第二新卒の採用も拡大し「現在５０歳以上の平均年齢は４５―４６歳に引き下げたい」（戴社長）考え。新卒社員でも優秀者は半年後に給与を引き上げる。

シャープは８月に台湾・鴻海精密工業の傘下に入り、経営改革を進めて業績は回復傾向にある。新人事制度で社員のモチベーションを刺激し、成長路線へ早期に移行する。シャープは同日、「成長をけん引する商品」として高解像度の「８Ｋ」ディスプレーなど約４０点を公開。自由な形状に加工できる車載用ディスプレーは１７年度から初めて国内外で自動車に搭載される見通しで、三重工場（三重県多気町）で量産する。１７年４月には工場向け無人搬送車の外販をはじめ、工場向けピッキングシステムなどと組み合わせて同事業に参入する。