[ 環境・エネルギー ]

JFEエンジ、LNG再出荷設備を完工 国内初実績で受注攻勢へ

(2017/7/17 05:00)

  • リロード事業開始にあたり増強した静岡ガスの袖師基地

JFEエンジニアリング(東京都千代田区、大下元社長、03・6212・0800)は、国内初となる外航船向け液化天然ガス(LNG)の再出荷(リロード)設備を完工した。出荷能力は1時間当たり5700立方メートルと国内最大で、静岡ガスから受注した。輸入したLNGを再び船に積み込んで輸出するための設備。既存の受け入れ基地に供給基地としての新たな機能を追加できる。国内のエネルギー事業者はアジア諸国への再輸出を想定するなど、再出荷設備の関心がにわかに高まっている。

JFEエンジは静岡ガスが袖師LNG基地(静岡市清水区)内に計画した再出荷設備をEPC(設計・調達・建設)で請け負った。3基あるLNGタンクのうち、1基を再出荷設備に改良。タンクに貯蔵したLNGを再び船に積み込めるようにした。

再出荷設備はタンクにLNGを吸い上げる「リロードポンプ」や分散型計装制御システム(DCS)、流量計などで構成。ポンプは1時間当たり1000立方メートルの吸い上げ能力を持ち、今回は6台を設置した。大容量ポンプを採用することで、LNG船への積み込みを短時間で行えるようにした。

JFEエンジは今回の実績をテコに、再出荷設備の受注で攻勢をかける。LNGは15―20年の引き取り量を確約する長期契約が中心。再出荷設備を保有していれば、余剰分を輸出できるメリットを訴求する。合わせて、LNG燃料船に燃料を供給する設備「バンカリング」需要の取り込みにも力を入れる。

静ガスは16年6月にシンガポールのシェル・イースタン・トレーディングと、LNG再輸出で販売契約を締結。LNGの最大需要地である東南アジアをターゲットに輸出事業へ参入した。

LNG受け入れ基地の有効活用とともに、再輸出分も含め一定量を購入することで、原料調達価格の低減につなげる。都市ガス小売り自由化を受け、LNG供給事業の収益基盤を高める狙いもある。

(2017/7/17 05:00)

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