[ オピニオン ]
(2017/8/23 05:00)
9月も間近だというのに、残暑が厳しい。特に今夏は関東以北に比べて、西日本の猛暑が際立っていた。ねっとりとした熱気に身の回りを包まれると、体感温度は最高気温以上になる。
屋外で作業する人や外回りの営業マンにとって、救いになるのが自動車の中だ。汗まみれになった体をカーエアコンの強い冷風にさらす爽快さ。エンジンをかけたまま車内で休憩している人の姿をよく見かける。
だが、その涼しさが周囲の気温を押し上げていることも忘れてはいけない。アイドリング中の車のエンジンルームや、ラジエーターの近くは耐えがたい。酷暑をしのごうとして、かえって発熱を増やしてしまう悪循環。
何か良い知恵はないものか。昔の人は打ち水をしたり、窓にすだれを立てかけたりして涼を求めてきた。自動車に使える工夫もあるかもしれない。そんな技術なら燃費性能の向上にもつながるはずだ。
トヨタ自動車とマツダの資本提携をはじめ、世界の自動車メーカーは次世代技術の大型投資を合従連衡で賄おうとしている。ぜひ高効率で排熱の少ない“涼しいクルマ”の開発も目標に加えて欲しい。ただし不完全な自動運転で、乗った人が肝を冷やすような納涼方法は、願い下げである。
(2017/8/23 05:00)