産業春秋／夏の甲子園、無事に

第１０４回全国高等学校野球選手権大会の代表４９校が決まった。６日から阪神甲子園球場で熱戦の火ぶたが切られる。新型コロナの新規感染者が急拡大している中での大会に。感染対策に万全を期し、成功裏に大会を終わらせたい。

甲子園出場を決める地方大会で懐かしい顔を画面越しに見た。私事で恐縮だが、息子が小学校４年まで所属していた軟式野球チームの“少年”が福島県の聖光学院で活躍していた。春の選抜大会に続く甲子園出場で、たくましく成長した姿には驚くばかりだ。

西東京大会で早稲田実業に“あの頃”と同じ顔の２人がいた。小学４年の秋に息子が入った硬式野球チームにいた２人だ。残念ながら準々決勝で東海大菅生に敗れたが、笑顔で勝者を讃える姿に成長を感じた。

そして息子。チームは西東京大会のベスト８に一歩届かず“野球生活”に終止符を打った。思えば高校入学以降、コロナ禍一色の２年４カ月だった。

父母は入学式に出席できず、入学当初の授業はオンライン。体育祭や学園祭は中止、野球部も活動時間が短縮された。足元では全国の新規感染者数が急拡大中だ。卒業まで、全国の高校生がプラスの思い出を一つでも多く作ってほしいと願う。