出光興産、相談できる管理職を配置 独自基準設け健康支援

(2023/10/10 12:00)

  • 推定野菜摂取量を測定する社内イベントを通じ、望ましい健康習慣をPR

出光興産は今春、健康経営に優れた上場企業として、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「健康経営銘柄」に2年連続で選ばれた。併せて同省の認定制度「健康経営優良法人」で上位500社となる「ホワイト500」にも2年連続で認定された。

「人が中心の経営という創業以来の哲学を推し進めた結果だ」。こう語るのは、久々宮(くぐみや)岳志人事部健康推進グループリーダー兼健康保険組合常務理事。創業者の出光佐三が掲げた「人間尊重」を原点に、健康重視の職場風土を醸成してきた。

最大の特徴は「少なくとも30年以上前からある」独自の組織体制だ。各部室・事業所ごとに、ラインの部課長とは別に「人事担当役職者」と呼ぶ管理職を配置。直属の上司には相談しにくい人事異動やメンタル不調を含めた健康面についても気軽に相談できる。

もう一つは産業医18人、保健師・看護師19人を配置し、血圧、血糖、脂質などを測る定期健康診断で独自の「健康管理区分」を設けた点だ。数値に応じて健康・不良予備・不良の3群に分け、不良者に必ず面談して保健指導を徹底する。社内教育向けのeラーニングコンテンツも保健師らが自ら作成した。

健康推進グループで保健師と公認心理師の資格を持つ小桐(おとう)由紀子エキスパートアドバイザーは「不良になると海外赴任や交代勤務ができなくなる」と話す。また入社3年目までの社員は毎年、保健師が面談するため、自然に健康意識が高まるという。

課題は「不良群の対応に追われ、健康な人を対象とした予防分野まで手が回らないことだ」と小桐氏。久々宮氏は「社内向けPR活動を強化し、この活動を全社に浸透させたい」という。

最近は女性の健康問題にも力を入れている。30年に女性採用比率を今の23%から50%以上に、女性役職者比率を同3%から10%に高める目標を掲げた。婦人科の医師を講師に迎え、複数のオンラインセミナーを計画している。

(2023/10/10 12:00)

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