インタビュー/天昇電気工業社長・石川忠彦氏 非自動車・自社製品伸ばす

(2023/10/25 12:00)

天昇電気工業はプラスチック成形加工大手。子会社を含め国内6カ所、海外2カ所に工場を構え、産業界に幅広くプラスチック成形品を供給する。総合商社で化学品・合成樹脂原料を扱っていた実績が買われ、2013年から同社を率いる石川忠彦社長に工場の生産状況と取り組みを聞いた。

―23年4―6月期連結決算は2ケタ増収・大幅増益となりました。

「主力となっている自動車部品が完成車メーカー各社の生産回復に伴い、業績をけん引した。1次、2次部品メーカー(ティア1、2)を含めて取引の厚みが増し、足元もフル生産に近い状態だ。品質に厳しい自動車産業との取引が拡大したことで、結果的に他産業からの評価も高まっている」

―生産体制の増強を進めています。

「ここ3―4年で国内工場に相次いで新棟を増設し、同業の成形品メーカーも買収。また、海外では22年秋、メキシコ工場に新棟を建設して工場規模をほぼ倍増した。増産投資だけでなく、最新鋭の射出成形機への入れ替えも年間十数台規模で行い、品質と数量の両面でニーズに応えている。協力会社との連携も深化し、体制に不備はない。持ち込まれるM&A(合併・買収)案件も多いが、十分に精査している」

―現場の人材について。

「ダイバーシティー(多様性)を重視している。一般的な新卒・キャリア採用、ベテラン技能者の再雇用はもちろんのこと、異業種の現場で経験を積んできたシニアも積極的に採用している。モノづくりに携わってきたシニア層は、現場を良くしたいという思いが強い。若手や中堅社員にとって彼らは良き指南役。ルーティンの人材教育・育成プログラムに彼らのアドバイスが加わることで、現場の一体感も醸成される。当社の現場は“セイムボート”。会社の原動力は工場であり、それを現場の社員が動かしている」

―非自動車分野とオリジナル製品により、自動車向け比率を3分の1程度にする事業ポートフォリオを描いています。

「足元では自動車関連が6割を超えているが、他産業向けと自社製品を伸ばして理想像に近づけていく。そのためにも社員の多様性が欠かせない」

(2023/10/25 12:00)

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