EV用プレス部品の自動化を一括支援 アイダエンジニアリング、高速・高精度ライン提案

(2023/10/30 12:00)

脱炭素に向け電気自動車(EV)の需要が拡大している。そのEVで基幹部品となる駆動用モーターのプレス部品の生産を支えているのがアイダエンジニアリングだ。同モーターのモーターコアを生産する高速精密プレス機を核に、周辺装置を含めた自動化ラインを一括して提供する。独自開発のサーボモーターなど高い技術力が同社を世界最大手へと押し上げている。

  • アイダエンジニアリングの「EV駆動用モーターコア専用ライン」(7月の展示会「MF-TOKYO」)

アイダエンジは高速精密プレス機の世界シェアが6割を超える。その最大の供給先となるのがEV用モーターコア向けで、プレス機だけでなくコイルから加工対象物(ワーク)をプレス機に供給するアンコイラー、転積装置、スクラップカッターなどの周辺装置も手がけ、プレスラインとして一括して提供している。

中でもプレス機の前後でワークを送り出すフィーダーでは、慣性モーメントと安定して送り出せる速度の相関関係に配慮したサーボモーターを開発し、毎分130メートルの送り速度を実現した。鈴木利彦社長は「従来比30%向上したフィーダーの送り速度を生かしたプレスラインをつくり込むことで、高速・高精度に加工するシステム全体としての提案力を高めた」と強調する。

一方、この高速精密プレスラインの稼働状況を3次元(3D)モデルで示す監視制御システム(SCADA)も開発した。サーボモーターの電流やトルク値などの稼働データを収集し、配管を流れる潤滑油などもリアルタイムに表示する。プレス機や周辺装置を仮想空間に再現する「デジタルツイン」の活用で、保全担当者はプレス機に登らなくても稼働状況を把握できる。

基準値を超えると赤く表示され、異常箇所をすぐに把握できる。タッチパネルで赤い表示に触れると異常の内容や復旧方法が表示され、保全作業の効率化も可能だ。鈴木社長は「稼働状況を見える化するだけでなく、人工知能(AI)を使いプレス機の金型の寿命を管理するシステムの開発にも挑戦している」と先を見据える。

(2023/10/30 12:00)

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