社説/米中首脳・日中閣僚会談 「対話」で合意、安定化の糸口に

(2023/11/17 05:00)

日米と中国との関係が安定に向かう一歩としたい。16日(日本時間)に米サンフランシスコ近郊で開かれた米中首脳会談は、中断していた軍事対話の再開で合意するなど、緊張緩和に向けた歩みを進めたと評価できる。15日(同)に行われた日中の経済閣僚会談では、重要鉱物の輸出管理や日本企業関係者の安全確保に向けた対話の枠組みを設けることで合意した。日米はこれら一連の成果を糸口に中国との対話を継続し、安全保障の安定化につなげてほしい。

1年ぶりに開かれた米中首脳会談では、軍事対話の再開のほか、中国が軍事利用を視野に入れる人工知能(AI)をめぐる対話の開始、気候変動問題に対する協力などでも合意した。ウクライナと中東情勢の対応に追われるバイデン米大統領にとって、冷え込む中国との関係悪化を回避し、安定化への一定の道筋を付けた意義は大きい。

中国の習近平国家主席も経済が停滞する中で、米国とのさらなる摩擦は望んでいない。むしろ主要国との関係改善と外資誘致へと外交姿勢を修正している。米中は利害が一致する気候変動問題での協力を加速し、軍事対話も定期開催することで偶発的な衝突を回避したい。

中国は日本との対話も重視し始めた。西村康稔経済産業相は中国の王文濤商務相と15日に会談し、輸出管理措置や日本企業関係者の安全確保について、対話の枠組みを設けることで合意した。中国政府は8月にガリウムなどの半導体材料の輸出規制を導入し、10月には黒鉛の輸出規制を決めた。日本も7月に半導体製造装置の輸出を厳格化した。実務者同士の対話により報復合戦を事前に回避し、両国の交易を正常化に近づけたい。

中国政府は10月にスパイ容疑で日本企業関係者を逮捕した。邦人の安全確保についても対話の場を設ける。日本企業が継続して現地事業を営めるよう、改正反スパイ法の適正な運用を中国政府に求めたい。未解決の「処理水」問題は、科学的根拠に基づく安全性を粘り強く中国に訴え、対話を続ける過程で解決の糸口を見いだしてほしい。

(2023/11/17 05:00)

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