中小の価格転嫁率、45.7%に低下 企業庁が30万社調査

(2023/11/28 17:00)

「不要」16.2%に増加、コスト上昇一服で

経済産業省・中小企業庁は28日、中小企業30万社を対象にした価格転嫁の実施状況の調査結果を公表した。直近6カ月の受注側のコスト上昇分に対し、発注側がどれだけ価格転嫁に応じたかの割合を算出した「価格転嫁率」は前回(3月)調査比1・9ポイント減の45・7%。一部でも価格転嫁できた企業は同5・0ポイント減の63・1%、全く価格転嫁できていないか減額の企業は同2・8ポイント減の20・7%だった。価格転嫁の動きは広がっているが、転嫁率の上昇が求められる。

調査は9月の価格交渉促進月間のフォローアップとして10月上旬―11月上旬に実施した。回答企業は3万5175社。

直近6カ月間のコスト上昇分のうち、何割を価格転嫁できたかについて「10割」と回答したのが17・0%、「7―9割」との回答が16・9%だった。一方、コストが上昇せず価格転嫁は不要と答えた企業は同7・8ポイント増の16・2%で、コスト上昇に一服感がみられる。

コスト要素別の価格転嫁率は原材料費が45・4%、エネルギーコストは33・6%、労務費が36・7%だった。すべての要素で前回調査より転嫁率は低下した。コストが上昇せず価格転嫁が不要とした回答が約10ポイント増加した。

業種別の価格転嫁の状況では「造船」がトップで、「機械製造」「化学」が続いた。

経産省は2024年1月にも発注企業ごとに価格転嫁の状況をまとめたリストを公表する予定だ。

(2023/11/28 17:00)

総合1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

誰も教えてくれない製造業DX成功の秘訣

誰も教えてくれない製造業DX成功の秘訣

電験三種 合格への厳選100問 第3版

電験三種 合格への厳選100問 第3版

シッカリ学べる!3DAモデルを使った「機械製図」の指示・活用方法

シッカリ学べる!3DAモデルを使った「機械製図」の指示・活用方法

技術士第一次試験「建設部門」受験必修キーワード700 第9版

技術士第一次試験「建設部門」受験必修キーワード700 第9版

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン