(2024/4/5 12:00)
自分の勝己という名前は、「昨日の我に今日は勝つべし」という私の座右の銘でもある。人生観やビジネス観にとどまらず、私が読む本も真意はその言葉に集約されると考えている。
大島正裕編『座右の銘』は、絶えずさまざまなタイミングで読み返している。この本は、高校卒業時に父から初めてもらった本だ。
大手金融機関の役員をしていた父は「この本はお前にとって、いい出会いになる」と渡してくれた。最初はその言葉の意味がよく分からなかった。内容はデカルトやゲーテ、カーネギーなど偉人の言葉をまとめている。何度も読むうちに、自分の人生経験と照らし合わせて、さまざまな解釈を得ると同時に「人生とは何か」を問いかけてきてくれる存在になっていた。
さまざまな偉人の言葉の中でもサン=テグジュペリの「生きる、ということは徐々に生まれることである」という言葉を若い頃は読み流していた。今では日々生きていろんな経験を積むことで成長し、己に勝つという意味だと解釈している。
読書は対話だと考えている。『座右の銘』は旧知の知人との対話のように思っており、一度きりの人生を悔いなく生きることを教えてくれるメンターブックのような存在だ。就寝前にスケジュールを見返し、1日を振り返り、生きたことへ感謝するようになったのも、『座右の銘』から学んだ姿勢の一つだ。
梅島みよ著『人を見る目を持つ』も忘れられない。梅島さんは私がまだ駆け出しの社長だった頃に直接会ったメンターであり、読んでいるうちに梅島さんと対話している感覚を持つ。この本では「人は関係性が大事」「人を知ると自分も知れる」「人の強みをちゃんと見ることが人材育成で大事」ということをよく学んだ。ビジネスと教育も同じことだと痛感した。
『座右の銘』も『人を見る目を持つ』も絶えず読み、人生や経営の道しるべとなっている。これからも“座右の書”を探したい。
(2024/4/5 12:00)
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