“受注開発型”装置で自動化後押し 山陽自動機、ラベル貼り・こんにゃく製造主力に領域拡大

(2024/4/15 12:00)

山陽自動機(岡山市北区、浅野晃社長)が得意とするのは食品や自動車部品、日用雑貨品などの業界向けの自動化機械。特に樹脂ボトルにラベルを取り付けるラベラーと、こんにゃくの製造ラインを主力としており、豊富な実績を持つ。

  • 主力商品のストレッチラベラー「SL500」

ボトルのラベルには、胴回り寸法より大きなラベルを収縮させながら取り付け、熱をかけて接着する「シュリンクラベル」と、ボトルより寸法の小さなラベルを広げてかぶせる「ストレッチラベル」とがある。

このうち後者向けのストレッチラベラーは「ほかに作っている会社があまりなく、おそらく当社がトップシェア」と浅野社長。シュリンクラベラーに比べると、加熱する機構が不要で比較的安価。かつ飲料以外の、洗剤や薬品などシンプルな形状のボトルに多く使われるのが特徴だ。

中でも同社の装置は生産能力が毎分50―60本以下の中規模以下の工場に向いている。コロナ禍で消毒用アルコールが大増産された2020年ごろには、ストレッチラベラーにも特需があったという。

一方、こんにゃくの製造方法には、加熱前のゲル状のこんにゃくを先に袋に詰めて、後でゆでる「生詰め」と、大きな箱状の容器に入ったこんにゃくをゆでて、その後で切り分けて包装する「缶蒸し」がある。

量産工場では生詰めが主流。そのための「リテーナー」と呼ぶ成形・ボイル装置や、箱詰め機など一通りの量産ラインを作れる装置をそろえている。主に取引してきたのは名古屋以西のメーカー。この分野では「上位に大分引き離されて、3位くらいにつけている」(浅野社長)という。

ほかにも自動車部品向けなどさまざまな自動化機械を手がけており、売上高の半分程度を個別開発の専用機が占める。これからも業界を問わず、人手作業を自動機に置き換える“受注開発型”の装置を手がけていく方針。「他の分野に入っていこうとすると、それしかない」と、浅野社長は力を込める。

(2024/4/15 12:00)

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