(2024/5/1 12:00)
ジャパンマテックス(大阪府泉南市、塚本浩晃社長)は、エネルギーや石油精製、石油化学、製鉄といった業界のプラントで使うグランドパッキンやガスケットを製造する。グランドパッキンはバルブやポンプなどの回転軸の周りから流体が漏れるのを防ぎ、ガスケットは配管フランジや圧力容器などを封止する。同社はこれらを短納期に供給できるのが強みで、プラントのメンテナンス期間の短縮などに貢献している。
グランドパッキンやガスケットは大手メーカーが汎用品を中心にシェアを握るが、ジャパンマテックスは膨張黒鉛を素材とする製品に特化。900―1000度Cの高温や1メガ―2メガパスカル(メガは100万)といった高圧に耐える製品、直径2メートルを超える大物製品などを多品種少量で手がける。「黒鉛は耐熱性能が高いが、もろくて破損しやすいため取り扱いが難しく、工場や生産設備が汚れやすいので敬遠するメーカーが多い」(塚本社長)というが、同社は創業時から黒鉛製品のモノづくりや取り扱いのノウハウを蓄積し、「日本で一番」(同)と自負する。
工場には炭素繊維に黒鉛を含浸した後、乾燥して巻き取り、その繊維を編み込む自動化設備、編み込んだ繊維をパッキンに成形する金型などが並ぶ。内製する独自設備や海外から取り寄せた機械などが多く、黒鉛素材を多品種に加工するノウハウを詰め込んでいる。
生産体制に加えて、小回りの利く顧客対応も強み。プラントでパッキンやガスケットの交換が発生すると、多くの場合は急ぎの対応が求められる。顧客の声がかかれば現場に急行して状況を確認し、その場で部品仕様を決定し、納期を回答。ワンストップで顧客の困りごとに対応する。今後、ノウハウと経験を生かし、顧客にプラントのメンテナンス方法を提案したり、他社と連携してプラント関連の商材を増やしたりと、困りごとの解決策を広く提供できる「ソリューションプロバイダー」を目指していく考えだ。
(2024/5/1 12:00)
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