[ 科学技術・大学 ]

東大、静電で“ぬれ”制御−挙動機構を解明

(2017/2/28 05:00)

東京大学大学院工学系研究科の塩見淳一郎准教授とスウェーデン王立工科大学のアンベリグスタフ教授らの研究グループは、静電によって“ぬれ”の広がりの挙動を制御できることを発見した。液体と固体表面の間に電圧を加えると、ぬれの広がる速度が遅くなる効果を消すことができる。インクジェット技術や、光制御などに使うエレクトロウェッティング技術の制御性や再現性などを向上できる。

研究グループは、平滑な面と、微細な構造を施した表面上にそれぞれ液滴を垂らし、高速度カメラで観察した。その結果、通常はそれぞれの面で液滴の形やぬれ広がる速さは異なるが、一定以上の電圧を加えると、その形やぬれの広がりが変わらなくなることが分かった。

数値計算と組み合わせた解析を行い、その機構も明らかにした。液滴が固体表面上をぬらす際、電場を液滴に加えることで、個体表面の粗さによる液体の振る舞い(ぬれが広がる速さ)の違いを消失させられるのは、固液界面に加えられた電荷によって接触線の摩擦が低減するためであることが分かった。

従来、固体のぬれ広がる速さは、表面のぬれ性(静的接触角)によって決まるとされてきたが、最近、接触角が同等でも、表面の微細な構造の粗さによってこの速さが減速することが分かっている。

(2017/2/28 05:00)

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