[ 政治・経済 ]
(2018/2/16 12:00)
政府は16日、衆参両院の議院運営委員会理事会に、4月8日に任期切れを迎える黒田東彦日銀総裁(73)を再任する国会同意人事案を提示した。副総裁には若田部昌澄早大教授(52)と雨宮正佳日銀理事(62)を充てる案を示した。
安倍晋三首相は、黒田氏が大規模な金融緩和で首相の経済政策「アベノミクス」をけん引し、景気回復を導いた実績を高く評価している。黒田総裁の再任と積極的な金融緩和論を唱える若田部氏の起用で、デフレ脱却を目指す姿勢を強く打ち出す。
日銀の正副総裁は、衆参両院の同意を得た上で内閣が任命する。任期は5年。与党は来週にも両院で黒田氏らの所信を聴取し、月内に本会議で採決したい考え。与党は両院で過半数を占めており、採決に至れば同意は確実だ。
黒田氏は「異次元緩和」と呼ばれる大規模金融緩和策を進め、円安効果などでアベノミクスをけん引してきた。総裁続投は、緩和継続への不透明感を払拭(ふっしょく)し、市場を安定化させる狙いとみられる。若田部氏は、金融政策の企画・立案に精通した雨宮氏とともに二期目の「黒田日銀」を支えることになる。
日銀総裁の再任は1956年から64年まで務めた故山際正道氏以来となる。(時事)
(2018/2/16 12:00)