産業春秋/気象制御は福音となるか

(2022/6/22 05:00)

 気象制御の実現に向け研究開発プロジェクトが始動した。台風や豪雨などの強度、タイミング、発生範囲などを人為的に変化させ、被害の回避や軽減を可能にする壮大な取り組みだ。

 内閣府のムーンショット型研究開発制度で採択され、2050年に社会実装を始める予定。課題は山積する。倫理や法整備、国民の理解、国際社会の合意形成など科学技術にとどまらない。

 米国では半世紀前に、ハリケーンを制御する実験が行われた。航空機からヨウ化銀を散布すると風速が10ー30%弱まったとの報告はあるものの、ヨウ化銀の有効性は立証されていない。

 プロジェクトではテコの原理のように人間の微小な力で効果的に気象を制御する技術を確立する。台風は勢力を弱めるだけでなく意図した方向への経路変更も視野に入れる。

 人類にとって気象制御は福音となるか。50年には極端気象の原因とみられる地球温暖化にどこまで対処できているだろう。成果が芳しくなければ気象制御が温暖化の対症療法になりかねない。プロジェクトの本命ではないが、気象を制御しながらエネルギーを有効利用する視点も重要だ。産学官の英知を結集し、アポロ計画のように未踏領域を切り開きたい。

(2022/6/22 05:00)

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