産業春秋／中国のロシア軍事支援、焦点に

ロシアがウクライナに侵攻して２４日で１年になる。短期間でのウクライナ掌握を目指した“プーチンの戦争”は失敗し、西側諸国によるウクライナへの軍事支援がロシア軍を消耗させている。

英国の国際戦略研究所によると、ロシアはこの１年間で主力戦車の半分に当たる２０００両超を失い、旧ソ連時代の旧式戦車に頼らざるを得ない。ウクライナの戦車の損失は７００両程度で、ロシアの損失はウクライナの３倍に達する。

ロシアはウクライナ領土の２割程度しか掌握できておらず、英国防省によるとロシアの１年間の死傷者は最大２０万人規模に達する。ロシアの大規模攻撃が今春に想定される中、ロシアが中国に接近しているのは気がかりだ。

米国は中国がロシア支援に動けば対抗措置を辞さず、１８日の先進７カ国（Ｇ７）外相会合でも、ロシアを支援した第三国は「深刻な代償に直面する」と警告した。

ブリンケン米国務長官は、中国がロシアに殺傷力のある兵器と弾薬の供与を検討しているとし、ウクライナのゼレンスキー大統領は「重大な結果を招く」ことになると警戒する。中国がレッドラインを越えるかが戦況を占う焦点の一つになる。中国には自制を強く求めたい。