2023国際ロボット展/早大、ジャケットをハンガーにかけるロボ 模倣学習で技術

(2023/11/30 05:00)

早稲田大学の伊藤洋客員次席研究員と一藁秀行大学院生、尾形哲也教授らは、模倣学習でジャケットをハンガーにかけるロボットを開発した。40回分の動作を学習させて1週間弱の期間で動作を実現した。衣類などの柔軟物は形が変わりやすくロボットで扱うのが難しい。学習で機能を増やせると幅広い仕事を担えるようになる。(総合1参照)

  • ジャケットをハンガーにかけるロボット

ヒト型の双腕ロボットを人が操作して動作を教え込む。実験ではジャケットにハンガーを差し込む動作と、持ち替えてジャケットの反対の肩をハンガーにかける動作について、それぞれ40回分のデータを集めた。この動きや映像を機械学習する。

ロボットは1秒先の映像を予測しながら動作を実行する。映像中にロボットが注意している点を示せる。ジャケットを扱う指先に注視点が表れ、1秒先の予測注視点は指先の進む方向に表れた。注視点がロボットの動きや意図を示している。

そのため認識を間違えているか、動作がおかしいかなどと、学習の成否を判断しやすい。機械学習自体も半日で成功したかどうか判断できる。

衣類のような柔軟物は持つたびに形が微妙に変わる。そのため動作のルールを書き出すと開発工数が大きくなり、現実的ではない。機械学習で対応の幅は広がるものの、複雑な作業は学習が収束しないリスクがあった。人の作業を模倣することで学習の収束性が向上した。将来、ユーザーがロボットに仕事を教える際も直感的に教示できる。内閣府のムーンショット型研究開発事業で実施した。

29日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕した「2023国際ロボット展」で紹介している。

(2023/11/30 05:00)

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