産業春秋/AIがもたらす未来は明るい

(2023/12/18 05:00)

人工知能(AI)がもたらす未来において「人生の価値主軸は経済的成功ではなくなる」。12日に行われた科学技術振興機構(JST)の未来社会創造事業の公開成果報告会で、木下真吾NTT執行役員研究企画部門長は予見した。

定常的な労働をAIが代替していく中、人間に求められるのは新たな価値を生み出すための発想となる。「労働は生産のための手段から、豊かに生きるための目的になる」。

慶応義塾大学の大西公平特任教授は人間の感覚が重要となる縫製作業の要素を抽出し、自律するロボットに再現させる技術を発表した。触った瞬間に生地の特性を把握しどう扱うかを、力、速度、座標変化、時間の4要素で抽出し、再現する。

秀でた感覚と技能により成り立つ仕事をロボットに教え込む。そうして人間の役割は労働ではなく、ロボットを育てることとなる。

報告会では嗅覚の可視化、マテリアル探索空間の拡張の研究も発表された。香りに対する人間の反応は千差万別。材料の種類は10の60乗。それぞれに最適な解を見いだすのにかかる膨大な作業と時間から解放される研究だ。現在、深刻な人手不足の一方でAIの脅威も叫ばれているが、未来は結構明るい。

(2023/12/18 05:00)

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