産業春秋／能登半島地震「3.16」問題

能登半島地震の発生から間もなく１カ月半になる。いまだに１次避難者は８０００人超を数え、ホテルや旅館などの２次避難者５０００人超を上回る。仮設住宅への入居も輪島・珠洲の両市でようやく始まった段階だ。１次から２次避難への移行を引き続き促したい。

ただ、その２次避難者も「３月１６日」までが滞在期限のめどになる。同日に北陸新幹線が敦賀まで延伸し、北陸のホテル・旅館に観光客らの予約が入っているためだ。政府・自治体は対応を急ぎたい。

仮設住宅は３月末までに３０００戸を着工し、自治体が借り上げた民間賃貸住宅「みなし仮設」と、県内外の公営住宅で計１万５０００戸を確保するという。１次、２次避難者を遅滞なく移行させることが求められる。

政府は３、４月に北陸４県の早期の観光復興に向けて、１泊最大２万円を補助する「北陸応援割」を実施する予定だ。観光庁によると金沢市以南と富山・新潟・福井の３県の宿泊施設や観光地はおおむね平常通り運営しているという。

１次、２次避難者が仮設住宅で生活再建に向かうことを確認した上で、北陸観光で被災地を間接的に応援できればと思う。インバウンド（訪日外国人）にも期待したい。