[ その他 ]
(2017/8/17 05:00)
【音響通信「Another Track」】
音響通信を利用したソリューション「Another Track(アナザートラック)」。エヴィクサー(東京都中央区、瀧川淳社長、03・5542・5855)は、人間が感知しづらい18キロ―20キロヘルツ程度の音の信号を出力し、スマートフォンマイクが音を認識すると、画面表示に反映される独自のアルゴリズムを開発した。
ネット通信で情報発信を行う場合、配信側・受信側相互のやりとりが必要。一度に通信できる回線数は限られ、映画や舞台、スポーツ観戦など、人が多く集まる場はタイムラグが発生してしまう。
アナザートラックは、マイクから認識した音の信号により0・1秒以内にスマホに指令を出す。スマホマイクへ信号を発信するため、オフラインで動画や静止画を流す。映画やコンサートの進行に合わせた字幕表示や、拡張現実(AR)を利用した舞台演出も可能。
「もともと技術が先に生まれた」と話す瀧川社長。グーグルの検索エンジンがミスタッチを予測して出力するのを目の当たりにし、インターフェースに魅了された。「次の時代は音を使ったインターフェースが流行(はや)ってもいいのではないか」と考えた。
開発後、活用方法を考えた。最初「視聴覚に障害があっても、映画鑑賞を楽しませたい」と、端末とタイミングを合わせた字幕表示機能で健常者と同様に楽しめる環境を実現。瀧川社長はあることを思いつく。「訪日外国人も日本語が分からないと日本の映画も舞台も楽しめないのは同じではないか」。
2016年9月、明治座で観劇「サクラ―ジャパンインザボックス―」に導入。明治座初のスマホ連携の舞台上演だった。専用アプリをダウンロードすると、シーンに合わせ登場人物の説明や歌詞表示、ARが楽しめる。字幕は日本語、英語、韓国語、繁体・簡体中国語に対応した。
目指すのは、東京五輪・パラリンピックでの導入。「エンターテインメント分野から自社技術を普及させたい」と意気込む。(高橋沙世子)
(木曜日に掲載)
(2017/8/17 05:00)
モノづくり基盤・成長企業のニュース一覧
- コーンスターチで発泡材−生出、車・電子機器の包装用に開発(17/08/17)
- 経営士の提言/ホワイトスペースの習得法(17/08/17)
- 中小企業優秀新技術・新製品賞 開発の舞台裏(12)優秀賞−エヴィクサー(17/08/17)
- 札幌会議所ものづくり工業部会、参加企業のDB整備−入力サイト開設(17/08/17)
- 6月の中小景況、6指標改善−中央会まとめ(17/08/17)
- さあ出番/ヤマウ社長・小嶺啓藏氏「スピード・技術知識で営業」(17/08/17)
- りそな中小企業振興財団、CNF講演会(17/08/17)
- 経営ひと言/山陽パッケージシステム・小林大敏社長「BツーC開拓」(17/08/17)