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[ 科学技術・大学 ]
(2017/10/23 05:00)
東京大学医科学研究所の河岡義裕教授らは、中国の患者から分離した高い病原性を持つ鳥インフルエンザウイルス(H7N9)が、哺乳類の体の中で効率的に増殖でき、個体間で致死的な感染を引き起こすことを突き止めた。
また、現在使われる抗インフルエンザ薬の効果が低いことも動物実験で分かった。パンデミック(世界的大流行)で甚大な被害をもたらす可能性があり、インフルエンザ対策の方針決定などに役立ててもらう。
高病原性のH7N9型のウイルスを調べると、ヒトと鳥に感染することが分かった。このウイルスをフェレットに感染させると、肺や脳で効率よく増殖し、死に至った。
マウスに感染させ、抗インフルエンザ薬の効果を確かめると、タミフルなどで知られる「ノイラミニダーゼ阻害剤」の効果は低いことが分かった。一方で、ウイルスが増殖する酵素の働きを阻害する薬剤の効果は高かった。成果はセル・ホスト・アンド・マイクローブに掲載された。
(2017/10/23 05:00)