(2022/1/7 05:00)
新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)が3年目に入る2022年は、日本が国際社会で収束を主導する役割を果たすべきだ。
世界で新型コロナの新変異株「オミクロン株」が猛威を振るっている。米国で1日あたりの新規感染者が100万人を超えたほか、約130カ国・地域で感染が確認されている。
日本はコロナ禍前からパンデミックへの国際枠組み作りに取り組んできた。20カ国・地域首脳会議(G20)の議長国を務めた19年に、大阪で初の財務相・保健相合同会議を開催した。パンデミック克服には大規模な資金が必要で、財務当局と保健当局の連携が不可欠であるからだ。20年に新型コロナのパンデミックが現実となり、日本が主導した国際保健の議論の種が、現在の治療薬やワクチンの開発・製造・普及の国際連携として結実しようとしている。
新型コロナへの対応については各国間の思惑から、合意が難しい中、日本が欧米や新興国の仲介役となって、まとめあげてきた功績は大きい。
日本はワクチン共同購入と分配の国際枠組み「コバックスファシリティ」に、計10億ドルの拠出を表明するとともに、これまで約3000万回分のワクチンを各国・地域に提供してきた。
21年12月には、低所得国のコロナ対応を支援するため、世界銀行グループの国際開発協会(IDA)第20次増資の最終会合を日本が主催。増資時期を初めて1年前倒しして、過去最大となる計930億ドル(約10兆6000億円)を支援する方向でまとめあげた。日本は過去最大の3767億円を拠出する。IDAは増資した資金で、途上国のワクチン普及やコロナ危機から回復するための気候変動対策を支援する。
ウイルス対策に国境はない。各国が協調し、低所得国のコロナ禍からの脱却を支援することが、世界的なコロナの収束につながる。世界保健機関(WHO)の22年半ばまでにすべての国で人口の70%にワクチンを接種するという目標に向け、日本は率先して行動してもらいたい。
(2022/1/7 05:00)
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