スマホ使い海外と商談 マルト長谷川工作所

(2024/3/7 12:00)

マルト長谷川工作所(新潟県三条市、長谷川直哉社長)は、海外展開にオンライン会議ツールを活用している。年間を通じて生産するニッパーやペンチなどの作業工具と爪切り150万丁の7割を輸出するだけに、有効な営業方法として確立した。海外店舗での製品配置などを決める棚割を遠隔で行うこともある。

オンラインによる営業は新型コロナウイルス感染症が流行した2020年から継続している。輸出先として欧米市場を重視しており、相手との時差に合わせ、朝や夕方に現地販売代理店などと打ち合わせを実施する。現地での展示会が近づくと、その頻度が増すという。

同社では自社の営業担当者が出向く前に、現地代理店が見込み客のあたりを付けることにしている。最近は国際情勢の悪化による国際線の航路変更で搭乗時間が長くなり、航空券も高価な一方、工場などで樹脂のバリを取り除きやすい薄刃のニッパーの需要が旺盛で綿密な打ち合わせが欠かせなくなっている。

オンライン営業の定着の秘訣は、本社工場で実際に生産しているところにある。生産設備を見たい相手には、スマートフォンも使って工場内を見せる。長谷川社長は「海外ではOEM(相手先ブランド)生産などでメーカーの顔をした企業が少なくない。モノづくりの現場が近くにあってこそ、遠い国の相手とのバーチャルでの商談が成立するのだろう」とみる。

  • ベトナムのホーチミン市にある「燕三条ショップ」の店頭に並べる商品の棚割を遠隔で行った(マルト長谷川工作所提供)

同社も加盟する燕三条貿易振興会がベトナムのホーチミン市に出したアンテナショップ「燕三条ショップ」に製品を並べた際も、オンライン会議ツールを活用した。現地の店員が手にしたスマホを大型プロジェクターに投影。関係者と相談しながら最良の陳列を決めた。

営業活動以外にも、新入社員採用時の工場見学や、国内取引先との込み入った相談もオンラインで実施。長谷川社長は「格段に便利になった」とその効果を実感している。

(2024/3/7 12:00)

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