アラインテック 第2創業期、EV向け強みに

(2024/3/11 12:00)

アラインテック(山口県岩国市、上田文雄社長)は、メーカーとして培ったエンジニアリング力を生かし、省力化につながるシステムを構築してきた。1993年のシステムインテグレーター(SIer)事業開始以降、納入した業種はさまざまで、現在は事業の柱の一つに育っている。今後は蓄積したノウハウを生かしつつ、得意とする分野の育成や自社製品の開発と提案を強化していく方針だ。

  • 23年の「国際ロボット展」では研究部門向けのロボットシステムなどを展示した

同社は化学工場などのプラントの建設やメンテナンス事業で創業。その後、産業機械の製造、自動車工場をはじめとした生産ラインの設計・製作、医療機器の製造など事業を拡大してきた。上田社長は「本社がある岩国市や周辺地域は大手化学の工場以外は製造業が少なく、仕事をつくる必要があった」と説明する。

SIerとしての強みはメーカーとして蓄積した技術と人材のエンジニアリング力。人材面では全社員の約2割に当たる約40人が設計・開発に携わり「機械系も電気系も人材をそろえている」(上田社長)。これまでに納入した工場は自動車や液晶表示装置(LCD)、スマートフォン、住宅など業種はさまざまだ。

一つのラインで10台程度のロボットが協調して動くシステム、軟らかい加工対象物(ワーク)に対応したシステムなども考案し、顧客の製造現場に導入した。顧客に納入する生産ラインの組み立てや検証は二つの工場で行い、クリーンな環境が重要な電気系の製造現場向けの生産体制も整えている。

エンジニアリング力の高さが評価され、全国から問い合わせが入る。近年増えているのは電気自動車(EV)向けなどの電池工場に産業用ロボットを導入したいという問い合わせだ。これまではさまざまな業種に対応できることを強みとしてきたが、今後は「EV用モーターの生産現場など得意な分野をつくりたい」(同)という。

会社設立70年の節目だった2020年に旭興産からアラインテックに社名を改めた。今のステージを第2創業期と位置付け、100年目の年まで成長し続ける会社の基盤を構築する構えだ。

(2024/3/11 12:00)

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