山城精密、女性の活躍 成長の原動力に 多能工化でスキル向上

(2024/3/27 12:00)

山城精密(東京都瑞穂町、小野寺誠社長)は、企業方針として「女性の活躍支援と従業員所得の向上」を掲げる。1974年に小野寺社長が立ち上げ、黒字経営を続けてきた同社は2024年5月、創業50周年を迎える。女性従業員の採用は創業当初から取り組み、成長の原動力となってきた。現在は従業員の半数近くを女性が占め、その活躍は多岐にわたる。

  • 高齢の従業員も現場を支える

山城精密は主に航空機エンジンの組み立て・試験用治工具や半導体製造装置向け部品製造を手がける。板金、金属切削加工、溶接、アセンブリーを一貫してこなし、装置を完成品まで作り込めるのが強み。本社工場では溶接機や工作機械など30―40台が稼働している。

生産現場では男女問わず「顧客が示した図面の見方を理解できるようになることが重要」(小野寺社長)とし、多能工化することでスキルの向上を促す。生産部門の女性社員はCADや溶接、工作機械のオペレーションなどに携わっている。

さらに、高齢社員の活躍も顕著だ。同社は70歳が定年だが、希望すればその後も職場に残れる。生産現場には70代の社員が3人おり、20―30代の若手社員への技能伝承などに力を入れている。

  • 女性従業員の活躍が成長を支える原動力の1つ

また、特徴的なのは営業部員全てに女性を配している点だ。同社の営業は完成品に付帯する購入品の手配やメッキ・塗装といった外注、社内での組み立てなど全てのスケジュールを組み立てなければならない。

こうした生産工程に関わる知識を身に付けた上で、顧客対応する。「特に試作品の生産は短納期が強みになる。生産工程のスケジュール管理など、きめ細かい対応が顧客の信頼を得ている」(同)と強調する。

働きやすい職場づくりも重視した。女性が働きやすいよう子育て・家事に配慮した勤務体制を整備。食堂は作業着を着たままだと入れないように決めた。「オン・オフの切り替えを明確にすることで、不良の低減にも役立つ」(同)という。

同社ではプレス・レーザー加工が可能な複合機やベンディングマシンを相次ぎ導入し、生産性向上に取り組む。設備の高度化で、経営面からも生産・営業活動を後押しする。今後は主力事業に加え、食品・医療分野の新規開拓に照準を合わせる。

(2024/3/27 12:00)

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